価格広場の「価格推移グラフ」は、今が買い時かどうかを判断するためのヒントが隠れています。
何回かのシリーズで、具体例を元にグラフを読み解いていきたいと思います。
まずは最初の例。
これは、ある人気掃除機のグラフです。ここでおさらいですが、まずは左目盛り(金額)項目として、赤線が最安値、橙線が平均価格です。右目盛り(数)項目として水色帯が販売店舗数、紫帯が人気指数となっています。
まずは発売日からの赤線(最安値)に注目してみましょう。発売日に8万円前後だった売値も、取扱店舗(水色帯)が増えると共に一気に下がります。大抵の商品は、発売から月日が経つと徐々に価格は下がっていきます。この商品も、12月には5万円台後半まで下がっています。
ところが、1月半ばで一気に6万円台中盤まで値上がりしています。何が起こったのでしょうか。ヒントは、販売店舗数(水色帯)にあります。一部の販売店で品切れ状態となり、販売店舗数が、1月1日の30店舗から16店舗まで下がっています。多くの場合、安値販売店から順に品切れになっていくので、ここでも、安値をつけていた店舗が品切れとなり、最安値があがってしまいました。人気指数(紫帯)を見ると、去年12月頃から人気が集まりはじめ、価格の落ち込みも鈍化しています。1月中頃には品切れ店が増えてきたため、販売店を探している人が増えるため、人気が急上昇しています。
このように、製品価格は、需要(販売店舗数)と供給(人気)のバランスで決まっていることが多く見受けられます。(社会科の授業でやったとおりです。)
それでは、この商品が「買い」かどうかですが、今、非常に難しい局面にあります。
この商品の供給の落ち込みが一時的なものであれば、また製品が出荷されて販売店の在庫が回復すれば、安値販売店で以前のような価格で購入できるようになる可能性が高いです。桃色の予想線がこれになります。
しかし、もう在庫限りで生産されなくなった商品であれば、価格は高止まったまま販売店が徐々に減っていき、最後はどこにも売ってない状態になります。こうなるなら、多少割高でも今のうちに買っておかなければ手に入らなくなってしまいます。もっとも、生産を終了するときは、新製品が出ている時期でもあります。もう数ヶ月待てば、新製品が同じぐらいの価格になっているかもしれません。
というわけで、この局面での答えは、「少し待てるなら、今後の供給の回復か、新製品の登場を待ってみる。しかし、新たな供給がなければ永久に手に入らないかもしれないので、どうしても欲しいなら割高を覚悟して今買う。」ではないかと思います。
価格広場の価格推移グラフにはヒントがいっぱいです。また日を改めて、別の局面を紹介したいと思います。
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