4Kテレビの短い「買い時」が来ているかも知れません。4Kテレビの値段もこなれてきて、放送やレコーダの準備がやっと整ってきたのです。また、地デジ移行時に買ったテレビは32V型~46V型という方が多いと思います。当初は十分かと思っていたけど、もう少し大きくても良かったな、と思っている方も多いはず。もちろん当時の大型テレビは100~200万円台でしたが、今なら、当時46V型を買った値段で、65V型~80V型ぐらいまでが狙えます。ここまで大きくなると、4Kの高精細さが目に見えて分かってくるサイズなんです。
そもそも4Kテレビって何?
「4Kテレビ」の4Kは、横方向の解像度(絵の細かさ)を表しています。一般的な「4K」映像は、横3840×縦2160 です。ビデオカメラ風に言えば830万画素です。 横が約4千(4キロ)なので4Kと呼ばれています。
現在主流の「フルHDテレビ」は、1920×1080 で、横が約2千なので「2K」とも呼ばれます。フルじゃ無いHDには、1366×768 などがあります。
現在の放送はどうなってるの?
上の解像度はテレビ本体の解像度です。では、テレビに映し出される映像の解像度はどうなっているのでしょうか。現在のテレビ放送は「フルHD」が主流ですが、若干のトリックがあります。まず、本当のフルHDなのは、BSと一部のCS放送だけで、地デジは「1440×1080」で放送されています。電波の帯域が足りないので、横長の映像を飛び飛びに間引いて電波に乗せています。テレビの方で横1440ドットを1920ドットに引き延ばして映し出しています。国内のテレビは賢く引き延ばしてくれるので、目に見えて画質が落ちることはありませんが、同じ番組ならBSのほうが綺麗に放送されています。
また、ワンセグテレビは「320×180」です。(フルHDのスマホでワンセグを見るときは、320×180を1920×1080まで引き延ばす超解像技術が使われていることになります。結構メーカによって違います。)
ブルーレイはどうなってるの?
ほとんどのブルーレイは、完全フルHDの 1920×1080 です。フルHDの方は安心して下さい! 4Kへの対応は、次世代ブルーレイの「ULTRA HD BLU-RAY」が間もなく登場します。解像度だけでなく色の深みも増しています。
イマドキの4Kテレビ
やっと4Kが買い時になってきた理由の一つは、環境がやっと整ってきたこと、価格がこなれてきたことです。
環境面では、ブルーレイを4Kに拡張した「ULTRA HD BLU-RAY」がやっと規格化され、製品が登場しそうなこと、4K映像を本格的に伝送できる HDMI 2.0 がやっと搭載されてきた事です。(HDMI 1.4 でも4K映像は伝送できますが、動画の滑らかさに欠けます。) 同時に、HDCP2.2 にも対応している必要があります。これらは現行製品はほぼ大丈夫ですが、少し古い製品はご注意下さい。(HDCP2.2はファームウエアアップデートで対応されることもあります。)
また、放送の方もサービス地域は限られますが「ひかりTV 4K」での放送が始まりました。放送の方は、地デジに関してはフルHDすらフルに放送出来てないので論外ですし、BSの方も目一杯使われているので、今後BSで4K放送が始まって、またチューナを買わないといけない、なんてことには、すぐにはならないと思います。
フル4Kじゃない4K相当テレビ
最近の安値帯の4Kテレビの中には、フル4Kではない4Kパネルを採用した製品もあるようです。
一番分かりやすいのは、そもそも4Kじゃないもの。2880×2160 のパネルを採用しているものがあるようです。とはいえ、地デジの1440×1080 放送を観るにはちょうど良い!?
また、LGなどのRGBW方式は、W(白)がサブでは無く1ピクセル分を占めていて、市松模様に半分白黒になっているパネルもあるようです。もっとも、それでもフルHDより高精細な映像が得られることに違いはありませんし、安価に明るい画像を得られますが、4K 放送では、色の再現性を高める HDR にも力を入れているので、それに逆行する「なんちゃって4K」パネルは少し残念です。(人間の目は、明るさの変化ほど色の変化には敏感では無いので、テレビ放送でも色の情報は1/4に間引かれているとはいえ…)これはメーカのスペックを確かめるしかありませんが、メーカの記述でもわからない例も報告されており、注意が必要です。価格広場でもメーカや販売店の表記以上の事は分かりませんので、どうしても心配な方は信用できるお店で聞いてみて下さい。
フル4Kでなく「4K相当」で良いのであれば、色の再現性が良い「AQUOS クアトロン プロ」のほうがオススメです。(国産パネルですし)
4Kテレビの今と今後
国内メーカのテレビでも、多くの製品は韓国製パネルという事もあり、どのメーカでも大差は無いかもしれませんが、やはり超解像技術では国内メーカの映像エンジンが頭一つ出ているようです。4Kテレビを選ぶなら「HDMI 2.0」「HDCP2.2」に対応していることを確認してご購入下さい!
それと、各製品の「推移グラフ」を見ると、どの製品も発売後の価格低下が激しいことが分かります。ある程度落ち着いた製品が狙い目ですので、グラフ機能を使いこなして下さい!
そして、今後ですが、これは素人の予想ですが、2020年の東京オリンピックまでに、放送は8Kに移行しそうな雰囲気です。価格が安くなるのか、どうやって放送するのか(前述の通り電波の空きは全然足りない)という問題はありますが、これらの問題は、去年の4Kテレビにも言われていたことで、既に解決に向かっているので、あと5年でどうにかしてしまうのではないかと思っています。
ネガティブ要素としては、液晶の次の本命とされる有機ELパネルの開発で後塵を拝していること、東芝がテレビ生産から撤退、シャープも液晶部門を分割しジャパンディスプレイと統合が検討されるなど、国内のテレビメーカの再編が起こりそうな所です。うまく技術と生産を集約して競争力を付けてくれれば良いのですが、もしかしたら、今が国産テレビを買う最後のチャンス…なんてことにはなりませんように…。
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