今年になって、国内各社から 4Kテレビ が発売されています。放送は2Kのハイビジョンが主流であるため、パネルだけ4Kにしても意味がないという意見もありますが、日本のメーカが得意とする超解像技術により、2K放送でもかなり解像感のある画質が楽しめます。50~60型以上の大画面では、素人でも分かるほどの違いが出ます。
副産物というと少し強引ですが、スマートフォンやタブレットで、6インチ台の2K液晶スマホ や、4K液晶パネルを搭載したノートPC が登場しています。細かい文字を扱う場面では、このぐらいの解像度があるととても目が楽なんですね。また、4K画面は、最近はやりの高画質デジカメの画像処理・整理にも意力を発揮するようです。
必要か、不必要か、意見が割れている間に、特定の用途では確実に高解像度化が進んでいます。テレビの話に戻りますが、2K放送の視聴でもそれなりに楽しめる4Kテレビ。ですが、やはりその力を発揮するのは4K放送を見るときです。夏から4Kの試験放送が始まっているのですが、当然4K専用の受信機が必要なので、販売店の店頭などの限られた場所でしか楽しめませんでした。
そんな中、市販のテレビでも、4K放送を受信できる機種が出てきました。東芝の 4K REGZA の Z10X シリーズです。
50型の 50Z10X が30万円台、58型の 58Z10X が、40万円を切る勢いで、初物としてはなかなかの価格だと思います。それ以上に、撤退・縮小が相次ぐ国内のテレビ業界で、東芝の本気を見た気がします。
チューナー搭載テレビといっても、試験放送の段階ですので、4Kコンテンツを満喫できるわけではありませんが、一般家庭では受信できない4Kコンテンツを一足先に家庭で受信できるのは、ちょっと優越感に浸れるかもしれません。他の4Kテレビと比べて特別割高というわけでもないようです。
もう一つの4Kコンテンツとして期待されているのが、4Kブルーレイ ですが、これも、既存のブルーレイの拡張は諦め、次世代ブルーレイとして登場するようです。色の再現性など大幅な画質の向上が見込まれますが、登場までにもう少し時間がかかりそうですし、プレーヤも買い換えの必要がありそうです。
既にオリンピックなどは 8Kカメラで撮影されており、ぼやぼやしていると 8K 放送が始まってしまいそうです。
また、個人的には、放送のデジタル化やブルーレイで大幅に改善されたサラウンドステレオにまともに対応したテレビが(ほとんど)ないのが残念です。現状では、別途スピーカを内蔵したホームシアターシステムが不可欠ですが、これにレコーダやプレーヤ、AVパソコンが絡んでくると、配線や設定画とても面倒です。
ちゃんとしたフロントスピーカを内蔵し、ウーハーとサラウンドスピーカを設置するだけで、本物の 5.1サラウンドか楽しめるテレビの登場を待っています。
ASCIIの記事で絶賛されていた、ハイコストパフォーマンスの高品質イヤホン DUNU DN-1000 の集計を開始しました。2万円強で、かなりバランスのよいサウンドを体感できるようです。made in Japan が好きな私には台湾製品というのが少し不安材料ですが、台湾は当たりを引くと品質の良い物もありますので、侮るなかれ、made in Taiwan.
記事で比較されている AKG K3003 も集計しておりますので、DN-1000 で満足できない方はこちらをご検討下さい。
11月に、国内メーカ各社の冬モデルの新製品が発売され、既に多くの販売店で価格競争が始まっています。
その中でも、品質面で目立つ商品を2つ紹介したいと思います。それは、東芝 REGZA Z8 と、SHARP AQUOS クワトロン プロ です。
REGZA Z8 は、42Z8(42型)、47Z8(47型)、55Z8(55型) のラインナップで、共通してフルHDのパネルを搭載しています。バックライトには直下型LEDを用いて動きに強いバックライト駆動を実現し、東芝独自の映像エンジンで撮影時に圧縮されて失われた色情報を補完し、鮮やかな画面を目指した構成になっています。BT.709カバー率は97%で、特に原色の赤・緑・青の表現力を高めています。
また、画像エンジンの高性能化だけでなく、高速化にも力を入れており、REGZA に搭載されている「ゲームモード」では、遅延が0.7フレーム(0.012秒)という低遅延を実現しています。来年に発売される次世代ゲーム機との相性も良さそうです。
また、標準搭載のスピーカもかなり力を入れているようで、さすがは高級機といったところ。外付けHDDへの録画など、国産機ならではの機能も充実しており、次の4K、8K時代まで使える機種だと思います。
一方の AQUOS クワトロン プロ は、3原色に黄色を足した RGB+Y 構成のクワトロンパネルによる肌色の再現力に加え、画素を、RG/BY で2分割、さらに上下に2分割し、4つのサブピクセルとして駆動させることで、4K そうとうの表現力を発揮します。パソコンではおなじみの「Clear Type」と同じような工夫ですね。元々色の再現力の高いクワトロンパネルは、視野角確保のために画素を上下に分割していた事をそのまま利用。視野角を犠牲にする代わりに高精細な表現も可能となる、面白い工夫です。
もちろんこのモードは切り替え可能なので、大勢が集まるときには視野角の広いモードに、高帯域のBS放送やブルーレイで高画質映画を見るときには、高精細モードと切り替えて使えます。クワトロンパネルの能力を存分に発揮させたモデルです。
アナログ停波以降、大型液晶テレビがどんどん安くなり、今は55型が多く出ています。一方で、パーソナルテレビとして、32型あたりのテレビもそこそこ出ているようです。
かつて「パーソナルサイズ」と呼ばれていた19型は、アナログ時代のSD画質にはちょうど良かったのですが、地デジの到来で、ワンセグには大きすぎ、フルセグ(HD)には小さすぎてもったいない、中途半端なサイズとなってしまいました。ブラウン管の19型は立方体に近い奥行きがありましたが、薄型の32型は奥行きが無いため、場所もそれほど占有しません。
32型は世界的にパネルの供給も多く、大きさの割に安価な製品が多く出ています。このサイズは大半が海外生産ですが、日本の会社が企画し、海外で生産されたブランドの活躍が目立ちます。
このあたりは栄枯盛衰が激しい分野で、多くの会社がしのぎを削っています。おかげで消費者としては、比較的良い物が割安に手に入るお買い得なゾーンになっています。今回紹介するのは、maxzen J32SK01 です。この maxzen は、大型販売店 A-Price を運営する MOAグループの会社です。
特徴的なのは、東芝製のLSIと直下型LEDを使った画質へのこだわりです。この方式は、東芝のフラッグシップシリーズの REGZA Z シリーズに近い設計で、画質へのこだわりを感じます。残念ながら、液晶パネルはWXGA(1366×768)ですが、32型にフルHDはやや性能過剰ともいえるので、2万円台の価格とのバランスがとれた製品と言えると思います。
入力もHDMIが2系統、コンポジット入力にアナログRGBも用意されており、テレビ視聴とゲームコンソールのモニターとして最小限の機能は揃っています。また、簡易的にパソコンを繋ぐことも可能ですね。
純国産メーカのユーザさんには少し冒険になるかもしれませんが、国内大手メーカも、安価なモデルは海外生産がほとんどです。安価ながらもこだわりをもつ J32SK01 を選択肢に加えてみてください。